「自分の年収は、世間一般と比べて高いのか低いのか」と気になったことはないでしょうか?判断の目安として平均年収を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、平均値は一部の高所得者に引き上げられるため、実態とずれが生じやすい指標と言われています。より多くの人の感覚に近い水準を知るうえで役立つのが、データを小さい順に並べたときに中央へ位置する「中央値」です。結論、日本の給与所得者の年収中央値は約400万円とされ、平均年収の478万円を下回る水準にとどまります。
本記事では、年収中央値と平均年収の違いを整理したうえで、年代別・男女別・業種別の実態や、中央値以上に年収を引き上げる具体的な方法まで解説します。
この記事の要約
- 日本の給与所得者の中央値は約400万円であり平均年収より低い
- 高所得者が平均を引き上げているため中央値のほうが実感に近い
- 年代や学歴で中央値は異なり50代で500万円を超えピークを迎える
- 業種や地域による差も大きくインフラや都市部で高水準になる
- 中央値を超えるには転職や副業に加えて不動産投資などの資産形成が有効である
もくじ
なぜ平均年収ではなく中央値を見た方がよいのか?
中央値は少数のデータによる極端な影響を受けにくく、全体の傾向をつかみやすい指標とされます。ここでは、中央値に注目したい理由や押さえておきたい観点を整理していきましょう。
| 比較対象 | 年収分布への影響と特徴 |
|---|---|
| 平均年収 | 少数の極端な高所得者に数値が引き上げられやすい |
| 中央値 | 全体を並べた中間の値であり一般的な実感に近い |
一部の高所得者に平均が引っ張られるため
平均年収は、一部の高所得者の影響によって実態よりも高く算出される傾向にあります。平均の算出は、すべての年収データを合計して人数で割る計算のため、突出した外れ値の影響を受けやすい点に留意しましょう。国税庁の「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均年収は478万円とされています。しかし、実際にはこの金額を下回る人は少なくないでしょう。平均年収だけを基準にすると、全体像を見誤るおそれがあります。
大多数の実態に近い水準がわかるため
中央値を基準にすると、自身の年収が世間一般と比較してどの位置にあるのかを客観的に判断しやすくなるでしょう。中央値とは、すべてのデータを金額順に並べたときに中央へ位置する数値を指します。両極端なデータの影響を受けにくく、ごく一般的な会社員の金銭感覚に近い金額が算出されると考えられます。年収の相対的な立ち位置を確認する際は、中央値を用いるのがおすすめです。
最新データが示す日本の年収中央値
日本の年収中央値は、平均年収を数十万円ほど下回る水準にとどまると推察されます。ここでは、全体の分布を踏まえながら、平均値と中央値の差から見えてくる実態を整理していきましょう。
| 評価指標 | 金額の目安と分布の傾向 |
|---|---|
| 年収中央値 | 約400万円であり平均値より低い |
| 平均値未満の割合 | 全体の約6割が平均年収に届いていない |
給与所得者全体の中央値は約400万円
年収の中央値は公的統計として公表されていないため、賃金や給与階級別の分布から読み取る必要があります。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」で公表されている一般労働者の所定内給与額は男女計で34万600円であり、単純に12か月分へ換算すると年収は約409万円です。国税庁が公表する平均給与478万円を下回る階級に給与所得者の多くが分布しており、年収中央値は約400万円が目安と考えられるでしょう。世間一般の実感と統計データのずれは、平均値と中央値の差が背景にあると考えられます。
約6割が平均年収に届いていない
給与所得者のうち、平均年収の478万円を下回る人は、全体の約6割を占めます。国税庁の分布データでは、年収300万円超400万円以下の層が最も多く、次いで400万円超500万円以下の層が続く結果です。平均年収以上の収入を得ている人は、むしろ少数派と言えるでしょう。平均値に届いていないからといって、過度に悲観する必要はないと考えられます。
年代別に見る年収中央値の実態

年収中央値は年齢とともに上昇し、50代以上でピークを迎える傾向にあります。ここでは、転職サービス「doda」の調査データをもとに、年代ごとの具体的な金額と推移を整理していきましょう。
| 年代 | 年収中央値の傾向 |
|---|---|
| 20代 | 300万円台で推移し男女間の差が小さい |
| 30代 | 400万円台に到達しキャリアによる差が開く |
| 40代 | 450万円前後に上昇し役職就任が影響する |
| 50代 | 500万円を超えて生涯のピークを迎える |
20代:男女差が小さく300万円台
20代の年収中央値は300万円台で、男女間の差は比較的小さい傾向にあります。就職して間もない時期は基本給に差がつきにくく、役職手当なども発生しにくいのが要因でしょう。スキルや経験を蓄積している段階のため、企業間の給与格差もまだ表れにくいと考えられます。
30代:差が開き400万円台に到達
30代に入ると年収中央値は400万円台に乗り、個人のキャリアによって収入の差が広がる傾向にあります。専門スキルの習得や転職を通じて年収を伸ばす人も増え、収入の二極化が進みやすい時期です。結婚や出産を機に働き方を変える女性も多く、男女間の年収中央値にも差が生まれ始めると考えられます。
40代:役職者が増え450万円前後
40代の年収中央値は450万円前後で、マネジメントを担うかどうかが金額に影響しやすい年代です。課長や部長といった管理職に就く人が増え、役職手当によって収入が底上げされる傾向にあります。一方で、非管理職のまま働き続ける人も少なくないでしょう。同じ年代でも、所属企業の人事制度によって水準に違いが出てきます。
50代:500万円超で収入ピーク
50代以上の年収中央値は500万円を超え、会社員生活の中でも高い水準に達する時期です。長年の勤続による定期昇給や役員クラスへの昇格が、全体の数値を押し上げていると考えられます。ただし、50代後半から役職定年を導入している企業もあります。60代に向けて収入が減少に転じるケースも存在するでしょう。
属性や環境によって年収中央値はどう変わる?
年収中央値は、性別や学歴、雇用形態といった個人の属性によっても変動する傾向にあります。ここでは、環境要因が収入に与える影響を整理していきましょう。
| 属性・環境 | 収入への影響要因 |
|---|---|
| 男女差 | 管理職比率や非正規雇用の割合によって差が生じる |
| 学歴 | 専門性の高さや配属職種の違いでベースが変わる |
| 雇用形態 | 正規・非正規の違いが賞与や生涯年収に直結する |
働き方と管理職比率が男女差を生む
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は男性587万円、女性333万円です。給与階級別の分布を見ても、男性は400万円超500万円以下(16.9%)が最も多い一方、女性は200万円超300万円以下(19%台)が最も多く、収入のボリュームゾーン自体に差が生じています。女性は出産や育児でキャリアを中断するケースが多く、時短勤務や非正規雇用を選ぶ割合も高い状況です。管理職に占める女性の割合が依然として低い点も、女性の年収水準が伸び悩む要因の一つと考えられます。
専門スキルの有無が学歴差を生む
学歴が高くなるほど、年収中央値も高い水準になる傾向にあります。大学卒や大学院卒の層は入社時の基本給が高く設定される場合が多く、専門的な職種に就きやすい点も影響しているでしょう。高度な技術力を要する研究職(新しい知識や理論を見つける仕事)などでは、学歴が給与水準に反映されやすいケースも見られます。
雇用形態が生涯年収の差を生む
正規雇用と非正規雇用では、年収中央値に200万円以上の差が生じるとされます。正規雇用は賞与や退職金が支給されるケースが多く、勤続年数に応じた昇給も見込めるでしょう。非正規雇用は時給制や固定給で収入が頭打ちになりやすく、年齢を重ねるほど生涯年収の格差が広がる傾向にあります。
業種や居住地域で生じる年収中央値の差
所属する業界や住んでいる地域も、年収中央値を左右する要素の一つです。ここでは、業種と地域がもたらす構造的な違いを整理していきましょう。
| 分類 | 年収水準の特徴 |
|---|---|
| 業種別 | インフラや金融など参入障壁の高い業界が上位に入る |
| 地域別 | 東京などの都市部と地方で基本給や各種手当に差が出る |
インフラ・金融が業種別で上位を占める
電気・ガス・水道といったインフラ業界や金融業は、年収中央値が高い傾向にあります。事業の公益性が高く、安定した利益基盤を持つ業種のため、従業員への還元率も高く設定されやすいと考えられます。一方で飲食サービス業や宿泊業などはパートタイム労働者の比率が高く、業界全体の中央値が低く算出されやすい状況と言えるでしょう。
都市部と地方で収入差が明確に出る
都道府県別の年収中央値を見ると、東京や神奈川、大阪などの都市部が上位に並ぶ傾向にあります。大企業の本社が集中し、物価水準を考慮した地域手当などが手厚く支給される点が背景です。一方の地方都市は生活コストが低い反面、企業の規模や産業の少なさから、給与水準そのものが控えめにとどまるケースもあります。
現在の年収を中央値以上に引き上げる方法は?

年収中央値を上回り、将来の経済的な不安を和らげるための具体的な行動を整理します。勤務先での努力だけでなく、外部環境の変化を取り入れる視点も求められるでしょう。
| アプローチ | 具体的な行動内容 |
|---|---|
| 社内での年収アップ | 評価制度を理解し昇格や給与交渉を行う |
| 働く環境の変更 | 成長産業や利益率の高い業界へ転職する |
| 収入源の多様化 | 隙間時間で副業を始めて新たな柱を作る |
| 資産運用による形成 | 不動産投資などで将来に向けた資産を作る |
社内制度を使って昇格や昇給を狙う
まずは現在の勤務先で、評価制度や昇格の条件を正確に把握したうえで行動してみましょう。会社が求める成果を出し、上司との面談で実績を伝えることが、昇格や給与アップにつながる可能性があります。手当の対象となる資格を取得するなど、社内制度を十分に活用しながら基本給の底上げを図るのもおすすめです。
市場価値を活かし高年収業界へ転職する
現在の職場で大幅な年収アップが見込めない場合、平均給与の高い業界への転職がおすすめです。業界全体の利益率が高ければ、同じ職種や業務内容であっても報酬水準が高くなる傾向があります。自身のスキルが他社でどれくらい評価されるのかという客観的な市場価値を把握したうえで、転職活動に臨みましょう。
隙間時間を使って副業で収入を増やす
本業の収入を増やすのが難しい状況であれば、副業によって収入源を複数持つ方法もあります。クラウドソーシング(インターネット上で不特定多数の人に業務を発注する仕組み)を活用すれば、週末や夜間の空き時間でも収入を得やすくなるでしょう。収入源が複数あれば、本業の業績悪化によるリスクの分散にもつながります。
資産運用で長期的な収入源をつくる
労働による収入だけでなく、資産運用を取り入れると、長期的な資産形成が期待できます。家賃収入のような継続的な不労所得(労働を伴わずに得られる所得)が得られる不動産投資は、値動きを日々確認する必要が少なく、本業が忙しい会社員にも取り入れやすい選択肢の一つでしょう。なかでも中古マンション経営は、新築より購入価格を抑えられる点が特徴で、会社員が資産運用の入り口として検討しやすい選択肢の一つでしょう。ただし空室や修繕といったリスクは伴うため、物件の立地や管理体制まで含めて検討する視点が求められます。
年収が中央値前後の会社員でも中古マンション経営は始められる?
年収を上げる手段のうち、資産運用は「まとまった資金がある人向け」と受け取られがちです。ここでは、年収が中央値前後の会社員が中古マンション経営を検討する際の現実的な条件を整理していきましょう。
| 検討ポイント | 押さえておきたい内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 中古物件は価格を抑えやすく、少額の自己資金でも始めやすい |
| 運用の手間 | 賃貸管理を委託すれば本業への影響を小さくできる |
| 出口戦略 | 購入時点から売却や資産の組み替えまで見通しておく |
10万円程度の自己資金から始められる
中古マンション経営は、新築と比べて物件価格を抑えられるため、少ない自己資金でも着手しやすい傾向にあります。会社員は給与収入の安定性を評価され、金融機関の融資を受けやすい立場にあるのも特徴の一つです。実際に、10万円程度の自己資金からマンション経営を始める会社員のケースも見られます。まずは自己資金と借入可能額の目安を把握し、無理のない範囲で試算してみるのがおすすめです。
管理を任せられる体制なら本業と両立しやすい
不動産投資で不安視されやすいのが、入居者募集や家賃の集金、修繕対応といった運用の手間です。これらは賃貸管理会社へ委託できるため、平日は本業に集中したい会社員でも運用を続けやすいでしょう。判断の際は、委託範囲だけでなく入居率の実績まで確認しておくのがおすすめです。たとえば日商エステムグループの賃貸管理部門では、99.37%の入居率が公表されています。管理力の高さは、家賃収入の安定性を左右する要素と言えるでしょう。
購入後の運用や売却まで相談できる会社を選ぶ
中古マンション経営の成果は、物件そのものよりもどの会社をパートナーに選ぶかで左右される場面も珍しくないでしょう。購入時の提案だけで終わる会社ではなく、賃貸管理や建物の修繕、将来の売却相談まで一貫して対応できる体制かどうかを確認するのがおすすめです。グループ内で分譲から管理、売却までを担う会社であれば、物件の構造や修繕履歴を踏まえた提案を受けやすくなります。
まとめ
日本の年収中央値は約400万円とされ、全体の約6割が平均年収に届いていない状況です。水準は年代や学歴、業種によって異なり、50代で500万円を超えてピークを迎える傾向が見られます。つまり、年収そのものを大きく伸ばせる期間は限られており、給与以外の収入源を早めに用意しておく視点が重要になるでしょう。一方で、日々の業務に追われ、投資の知識を身につける時間を確保しにくいという課題も挙げられます。貯金だけではインフレによって資産が目減りするおそれも否めず、独力で自分の状況に合った投資手法を選ぶのは難しい場合も多いと考えられます。まずは無料のガイドブックや資料で中古マンション経営の基礎とリスクを把握し、判断材料を増やすところから始めてみてください。
より具体的に自分の年収や自己資金で何ができるのかを確認したい場合は、少額から始める中古マンション経営を扱うイー・トラストのセミナーや無料個別面談も選択肢になります。創業35年目を迎える日商エステムグループの一員として、物件選定から賃貸管理までを一貫して相談できる体制が整っています。
