オルカンの平均利回りは? 実績と長期シミュレーションで詳しく解説

オルカンの平均利回りは? 実績と長期シミュレーションで詳しく解説|株式会社イー・トラスト

新NISAを始めようと調べていると、「オルカン(全世界株式)が良い」という声をよく目にしますよね。
しかし、「実際のところ利回りはどれくらい?」「S&P500とどちらが自分に合っているの?」と疑問に思い、積立設定に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、本格的な投資が初めての方に向けて、オルカンの過去の平均利回り実績やS&P500との違いをわかりやすく解説します。
さらに、毎月3万円・5万円を積み立てた場合の具体的な将来シミュレーションも紹介します。

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の利回り実績と特徴

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の利回り実績と特徴

「オルカン」とは、正式名称を「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」といい、日本の投資家から非常に高い人気を集めている投資信託の一つです。
まずは、オルカンがどのような特徴を持ち、どれくらいの利回りを期待できるのかについて基本的な情報を整理していきましょう。

項目 内容の詳細説明
正式名称 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という名称で運用される
投資対象 日本を含む先進国および新興国の株式市場全体に分散して投資を行う
運用コスト 信託報酬と呼ばれる管理費用が非常に低く抑えられており長期保有に向く
期待される利回り 過去の市場データから年率で約5パーセントから7パーセント程度が目安
リスクの度合い 世界中の企業に分散しているため一つの国に集中するよりも価格変動が抑えられる
おすすめの対象者 投資の手間をかけずに世界経済の成長の恩恵をゆっくり受け取りたい人におすすめ

オルカンの過去の平均利回りはどのくらいか

オルカンが連動を目指すMSCI ACWIの長期データを見ると、1987年12月以降の年率平均リターンはドルベースで約8.5%、円ベースで約9.1%となっており、長期的には年率8~10%弱に収束する傾向があります。
ただし金融庁のデータでは、国内外の株式・債券に分散投資した実績として年平均4.0%という数値が示されています。
また、信託報酬控除前リターン4.5%を前提とした試算などもあり、現実的な目安としては年率4~7%程度で語られることが多いと言えるでしょう。
過去には、為替の変動や世界的な株高の影響で、10%を超える高い利回りを記録した年もありました。しかし、多くの投資信託と同じように、高い数字がずっと続くとは限らない点に注意が必要です。
長期的な視点に立ち、現実的な数字を前提に計画を立てましょう。

なぜオルカンの利回りは安定しやすいのか

オルカンが安定した利回りを生み出しやすい背景には、世界中の約47カ国、数千の企業に分散投資する仕組みがあります。
例えば、ある国の経済が停滞して株価が下がったとしても、他の国の経済が成長していればマイナス分を補う効果が期待できるのです。
分散効果が働くため、一部の地域に集中投資する場合と比べて、全体の価格変動が緩やかになりやすいのも特徴です。
さらに、世界の人口は増加傾向にあり、それに伴って世界経済全体も長期的に成長していくと考えられています。
オルカンは世界経済の成長がそのまま株価に影響するため、長期的に見れば堅実に資産を増やしていく効果が期待できるのです。

オルカンとS&P500の利回りを比較

オルカンとS&P500の利回りを比較

新NISAの対象商品として、オルカンと並んで頻繁に比較されるのが、米国の代表的な株価指数である「S&P500」に連動する投資信託です。
それぞれの特徴と違いを理解して、自分に合った投資先を選びやすくしましょう。

比較ポイント オルカンの特徴 S&P500の特徴
投資する地域 先進国から新興国まで世界中の株式市場を網羅している アメリカの代表的な企業500社のみに限定
過去の利回り 世界全体の成長に連動するため比較的緩やかな成長曲線を描く アメリカ経済の強さを反映し過去の実績では高い利回りを記録
価格の変動幅 分散効果が高いため一時的な暴落時にも下落幅がやや抑えられる 一国の経済に依存するため不況時には大きな下落を伴う
管理の手間 国の成長バランスが変わっても自動で配分を調整してくれる 米国以外の国が急成長した場合には恩恵を受けられない可能性あり
向いている人 どこかの国が衰退するリスクを減らし堅実に増やしたい人向け リスクを取ってでも高いリターンを狙い米国の成長を信じる人向け

長期的な利回りの違いとリスクの差

過去10~30年程度のデータで比較すると、S&P500の方がオルカンよりも高い利回りを記録していることが確認できます。
アメリカには世界を牽引するIT企業が多数存在しており、その恩恵を直接受けられるためと考えられるでしょう。しかし、利回りが高いということは、それだけ価格が乱高下するリスクも大きいことを意味します。
もしアメリカ経済が長期的な停滞期に入った場合、S&P500に投資していれば利益が伸び悩む期間が長く続く恐れもあるのです。
一方のオルカンは、米国の比率が約6割で、残りの約4割を日本や欧州など他の国・地域に分散しているため、アメリカ経済が不調な際にもある程度備えられるでしょう。

どちらを選ぶべきかの判断基準

自分が投資に対してどこまでリスクを受け入れられるかによって、選ぶべき商品は変わります。
将来的にもアメリカが世界一の経済大国であることは変わらないと感じているのであれば、S&P500を選ぶのがおすすめです。
一方で、20年や30年という長い期間の中で、アメリカ以外の国が台頭してくる可能性もゼロではありません。
どの国が成長するのかを予測するのは専門家でも難しいため、予想を放棄して世界全体に賭ける方が精神的に楽と考える方もいるでしょう。
迷った場合は、より広い範囲に分散されているオルカンを選んでおけば、後から後悔するリスクを低減できるとも考えられます。

新NISAでオルカンに積立投資した場合のシミュレーション

新NISAでオルカンに積立投資した場合のシミュレーション

実際に新NISAを活用してオルカンに投資をした場合、将来的にどれくらいの資産になるのかを計算してみましょう。毎月の積立額によって、将来の到達金額は大きく変わってきます。

毎月の積立額 投資元本の合計 運用収益の予測 20年後の資産額
1万円 240万円 約171万円 約411万円
3万円 720万円 約513万円 約1233万円
5万円 1200万円 約855万円 約2055万円
7万円 1680万円 約1197万円 約2877万円
10万円 2400万円 約1710万円 約4110万円

※利回りを年率5パーセントと仮定し、20年間継続して運用した場合の試算結果。

毎月3万円を積み立てた場合

金融庁の「つみたてシミュレーター」を利用して、毎月3万円を利回り5パーセントで20年間積み立てた場合の計算を見てみます。この条件で運用を続けると、20年後の投資元本は720万円に達します。
運用によって得られる収益は約513万円にのぼり、最終的な資産総額は約1233万円に到達する計算になります。
銀行の預金口座に預けているだけでは利息がほぼつかない現状を考えると、複利の力が実感できるでしょう。
毎月3万円という金額は、家計の節約やボーナスの活用などで捻出を検討しやすい現実的なラインと言えるかもしれません。

毎月5万円を積み立てた場合

次に、少し頑張った金額として毎月5万円を積み立てた場合のシミュレーションを確認してみます。同じく年率5パーセントで20年間運用したとすると、投資元本は1200万円まで積み上がります。
運用収益は約855万円となり、合計で約2055万円という大きな資産を築けるのです。老後資金としてよく話題に上がる2000万円という目標額も、このペースなら十分に到達できるでしょう。
新NISAの制度では利益に対して税金がかからないため、855万円という収益をまるごと受け取れるのが大きな強みと言えます。

オルカンの利回りを高く保ちリスクを下げるコツ

オルカンの利回りを高く保ちリスクを下げるコツ

投資を始めるだけでなく、それをどう続けていくかが最終的な成果を大きく左右すると言われています。まずは途中で挫折せずに、しっかりと資産を増やしていくためのポイントを押さえておきましょう。

場面や状況 成功するための正しい行動 失敗につながりやすいNGな行動
運用期間の考え方 15年以上を目安にじっくりと腰を据えて長期保有を続ける 数ヶ月から数年単位の短い期間で利益を出そうと焦って売買する
毎月の投資スタンス 相場の上がり下がりに関係なく毎月決まった金額を淡々と買い続ける 株価が上がっている時だけ買い下がり始めると不安になって積立をやめる
暴落が起きた時の対応 安く買えるバーゲンセールだと捉えてそのまま積立投資を継続する これ以上損をしたくないという恐怖心から慌ててすべて売却してしまう
ニュースを見た時の心理 一時的な不安を煽る報道には惑わされず当初の計画を信じて放置する 毎日株価アプリを確認して一喜一憂し精神的なストレスを溜め込む

長期・分散投資でリスクを抑える

投資の世界では、運用期間が長くなればなるほど、最終的な利回りが安定していく傾向にあります。数年単位の短い期間では、たまたま不景気と重なってマイナスになってしまう可能性も否定できません。
しかし、15年や20年といった長いスパンで見れば、過去の歴史上、世界株式の成長は右肩上がりを続けています。
オルカンは初めから広範囲へ分散投資している商品であることを鑑みれば、ただ時間が経つのを耐え忍ぶ必要があるだけとも言えるでしょう。
早く結果を出したいと焦る気持ちを抑え、信じて持ち続けることが重要なのです。

暴落時も売却せず保有し続ける

長く投資を続けていれば、数年に一度は市場全体が大きく下落するショック相場に遭遇することもあるでしょう。
自分の資産が目減りしていくのを見るのは辛いですが、この時こそが長期投資における大きな正念場とも言えます。積立投資を継続していれば、株価が下がった時には同じ金額でより多くの口数を買えます。
結果、将来的に相場が回復した際に、安く仕込んだ分の利益を得られるのです。
暴落時にパニックになって売ってしまうと、その後の回復による恩恵を受けられなくなるため、時には早計に手放さない覚悟も大切と考えられます。

新NISAでオルカンに投資する際に気をつけたい注意点

新NISAでオルカンに投資する際に気をつけたい注意点

オルカンは長期的な資産形成におすすめの銘柄ですが、投資である以上、事前に知っておくべきリスクも存在します。不安なく運用を続けるために、以下の注意点をしっかり確認しておきましょう。

元本保証がなく一時的な損もあり得る

銀行預金とは異なり、投資信託には元本保証がありません。
世界経済は長期的に成長を続けているものの、過去の金融危機のような世界的な不況や予期せぬ出来事によって、一時的に株価が大きく下落する可能性ももちろん存在します。
投資した金額よりも評価額が下がってしまう「元本割れ」の期間が発生するリスクは十分にあることを理解しておきましょう。

短期で大きな利益を出すのには向かない

オルカンは、世界中の数千社に分散投資することでリスクを抑え、安定した成長を目指す商品です。
一部の急成長している個別株のように、数ヶ月から数年といった短期間で資産を2倍、3倍に増やすような効果は期待できません。
あくまで「10年、20年という時間をかけてゆっくりと着実に資産を育てていく」ための手段であることを理解し、焦らずにじっくりと構える姿勢を持ちましょう。

為替の変動で運用利回りが左右される

オルカンは日本の投資信託ですが、中身の多くの割合は海外の株式であるため「為替リスク」を伴います。
例えば、世界の株価自体が上がっていても、円高(円の価値が上がる)が進むと、日本円に換算した際の評価額が目減りしてしまうこともあります。
逆に円安になれば評価額は上がります。為替の動きを正確に予測することは専門家でも困難なため、為替変動の波も受け入れつつ長期的なリターンに期待するという割り切りが必要です。

オルカン投資を始める際によくある疑問と回答

オルカン投資を始める際によくある疑問と回答

いざ新NISAでオルカンの積立を始めようと思っても、細かな疑問が湧いてくるかもしれません。ここでは、初心者の方がつまずきやすいポイントをQ&A形式で解説します。

今すぐ始めるべき?タイミングを待つべき?

回答:迷っているなら今すぐ始めるのがおすすめ。
「今は株価が高そうだから、下がるまで待った方が良いのでは?」と悩む方は非常に多いでしょう。しかし、結論から言えば「思い立った時に少額からでもすぐに始める」のがおすすめです。
将来の株価の動きを正確に当てることはできません。待っている間に株価がさらに上がり続けてしまう「機会損失」のリスクも考慮しておくのがおすすめです。
積立投資であれば、毎月決まった額で自動的に購入されるため、買うタイミングに悩む必要がないのが魅力の一つでしょう。

投資額を途中で変更しても問題ない?

回答:自身の状況に合わせて変えられます。
新NISAでの積立額は、一度設定したら二度と変えられないわけではありません。生活環境の変化に合わせて、金額を増やしたり減らしたり、あるいは一時的に積立をストップすることも可能です。
最初は無理のない1万円や3万円からスタートし、給料が上がったり家計にゆとりができたりしたタイミングで5万円に増額するなど、ご自身のペースに合わせて柔軟に設定を見直していきましょう。

利益を引き出したくなった時はどうする?

回答:投資の一部を売却して現金にできます。
急な出費でお金が必要になった場合、投資しているオルカンの一部または全部を売却して、現金として引き出すことができます。
新NISAの大きなメリットは、この時に得た利益に対して税金が一切かからないことです。さらに、新NISAでは売却した分の非課税投資枠が翌年に復活するという嬉しい仕組みもあります。
ただし、むやみに引き出すと複利の効果が薄れてしまうため、基本的には生活防衛資金を現金で残しつつ、当面使う予定のない余剰資金で運用を続けるのが理想的です。

まとめ

まとめ

この記事の要点をまとめます。

  • オルカンの長期的な平均利回りは年率で約5パーセントから7パーセント程度が目安とされている
  • 世界中の株式に分散投資されているため単一の国に投資するよりもリスクが抑えられやすい
  • S&P500と比較すると爆発力では劣るものの安定感に優れており投資初心者に向いている
  • 新NISAを活用して毎月一定額を長期間積み立てることで複利の恩恵を最大限に受けられる
  • 暴落時にも慌てて売却せず淡々と積立を継続することが将来の資産形成を成功させる鍵となる

時間を味方につけて焦らずじっくりと運用を続け、将来の安心に向けた資産形成の一歩を踏み出していきましょう。
 
 

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