不動産投資における赤字とは? 節税対策になる?

不動産投資における赤字とは? 節税対策になる?|株式会社イー・トラスト

昨今、サラリーマンの副業としても人気が高いのが不動産投資です。しかし、「損失を出しそうで怖い」と、ためらっている方もいるのではないでしょうか。

不動産投資に興味のある方は、まずは「不動産投資における赤字とは何なのか」を把握することが大切です。そこで記事では、不動産投資における赤字の特徴を中心に解説します。赤字になることで生じるリスクとその回避方法もご紹介するので、不安は軽減されるでしょう。

不動産投資における赤字の特徴

不動産投資における赤字の特徴

「赤字」という言葉にネガティブなイメージを持つ方は多いでしょう。しかし、不動産投資における赤字は、家計の赤字と違ってデメリットになるとは限りません。場合によってはメリットに転じることもあります。不動産投資での赤字とは何なのか、基礎知識から押さえていきましょう。

赤字とは経費が不動産収入を上回った状態のこと

不動産投資における赤字とは、経費が不動産収入を上回ることを指します。不動産収入とは家賃収入のこと、経費とは減価償却費・固定資産税・修繕費・ローン返済金などのことです。

赤字には良い・悪いがあります。良い赤字とは「帳簿上の赤字」、悪い赤字とは「キャッシュフローの赤字」です。帳簿上の赤字は現金の移動を伴っていないため、懐が痛むことなく経費を計上できます。一方のキャッシュフローの赤字は、収入が減ることで所得税は安くなるものの、返済計画に支障をきたすのが大きなデメリットです。

減価償却費が会計上の赤字を生む

会計上の赤字を作る経費が「減価償却費」です。資産を取得するのにかかった費用を、数年に分けて経費として計上します。初年度以降は実際にお金がかかっているわけではないので、会計上の経費です。取得費用が大きいほど会計上の赤字ができあがり、節税につながります。

減価償却費は「取得価額÷(耐用年数に応じた)償却率」で計算しますが、下記の一例の通り、建物の構造によってさまざまです。

・新築の投資用物件の一例

建物の構造

償却率

耐用年数

鉄筋コンクリート・
鉄骨鉄筋コンクリート造

0.022

47年

鉄骨造

4mm超

0.030

34年

3mm超
4mm以下

0.038

27年

3mm以下

0.053

19年

木造

0.046

22年

木骨モルタル造

0.050

20年

キャピタルゲインに期待が持てる赤字もある

売却益による収益のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。現在、収支がマイナスでも、将来的にキャピタルゲインが狙える物件であれば、特に問題視する必要はありません。

立地条件の良い物件を取得し、適切に管理・運営することがキャピタルゲインにつながります。家賃収入の安定性・収益性が見込める物件なら建物の資産価値も上がるでしょう。キャピタルゲインを得るためには、立地条件が良いなど需要の高い優良物件を所有することが大切です。

不動産投資で赤字となる4つのケース

不動産投資で赤字となる4つのケース

ここでは、不動産投資で好ましくない赤字といえる4つのケースをご紹介します。赤字に陥るリスクをゼロにはできませんが、事例を知っていることで対策を講じやすくなるでしょう。一度は赤字になることを前提として、スタート時から対策を練っておくのも良い考えです。

ローンの返済額が収入よりも多い場合

不動産投資を始めるにあたっては、金融機関のローンを利用するのが一般的です。ローンの返済には家賃収入を充てられるため、給与や貯蓄に手を付けなくても完済できる算段です。

ただし、ローンの返済額が家賃収入より高ければ赤字になります。毎回の返済額を高く設定し過ぎていたり、想定よりも家賃収入が少なかったりした場合、赤字に苦しむことになるでしょう。

このような事態を避けるためにも、ローンの返済額を決める際は綿密なシミュレーションが不可欠です。さまざまなリスクも考えた上で、余裕のある返済計画を立てましょう。

空室が増えて家賃収入が減った場合

不動産投資の収益源は家賃収入です。空室が長く続けば、その間は収益がありません。結果、ローン返済額が家賃収入を上回ってしまいます。

理想は長期入居、あるいは退去後すぐに次の入居者が決まる状態でしょう。賃貸ニーズの高いエリアの物件を選べば可能です。「設備を充実させる」「こまめな修繕を行う」など、資産価値を高める努力もしましょう。

ローン返済額が増えた場合

ローン返済額は一定とは限りません。金利が上昇した場合、多額の融資を受ける不動産投資では、支払う利息に大きな影響を与えます。

したがって、返済計画は金利上昇リスクも踏まえて立てましょう。どうしても一定額で返済していきたい場合は、固定金利の不動産投資ローンを探す必要があります。ただし、変動金利よりも利率が高めに設定されているのが一般的です。メリット・デメリットはお互いにあるため、負担が少ないと思えるほうを選びましょう。

修繕によって支出が増えた場合

不動産は経年劣化によって大小さまざまな損傷が出てきます。マンションの場合、定期的に大規模修繕工事を行うのが一般的です。来るべきときに備えて修繕費を用意しておかないと、一気に赤字に転落するかもしれません。

大規模修繕工事とは別に、突発的な修繕が必要になるケースもあります。例えば、事故や災害などで思わぬ損傷を受けた場合です。このような支出も想定し、修繕費は計画的に積立てましょう。

不動産投資が赤字になることで生まれるリスク

不動産投資が赤字になることで生まれるリスク

不動産投資で赤字が出るデメリットは、キャッシュフローが赤字になることだけではありません。長期的にもさまざまなリスクが生じます。出口戦略が制限されたり、投資の幅が狭まったりすることで、資産形成に悪影響を及ぼす恐れもあるでしょう。ここでは、不動産投資が赤字になることで生まれるリスクを解説します。

物件の価値が落ちる

不動産投資で赤字が続くと、「安定した収益が見込めない物件」と判断され、不動産の資産価値が下がる恐れがあります。資産価値の低下はキャピタルゲインの低下に直結し、売却損が出るかもしれません。場合によっては、買い手が現れない事態も想定できます。

経営不振などによる赤字を放置しておくのは危険です。不動産価値の下落を回避するためにも、早急に対策を練りましょう。

金融機関からの評価が落ちる

不動産投資はレバレッジ効果を期待できる投資方法です。レバレッジとは少ない資金で大きな収益を狙うという意味で、所有する不動産を担保に大きな融資を得られれば、複数の投資用物件を所有できます。投資用の物件数が増えれば家賃収入も増え、さらなるリターンを狙えるでしょう。

しかし、1件目の投資用物件で赤字状態が続くようでは、金融機関からの評価が落ちます。物件の担保評価額が落ち、ローンの審査が厳しくなったり、希望する融資額が下りなかったりといった悪影響が出るでしょう。

赤字による経営不振を防ぐための対策

赤字による経営不振を防ぐための対策

不動産の資産価値を守るためにも、赤字は避けたいところです。経営不振を防ぐ主な対策方法は、「リフォームする」「管理会社を変える」「ローンの借り換えをする」の3つが挙げられます。一時的に支出が増えてしまう対策もありますが、多少の出費はやむなしと考えたほうがよいでしょう。それぞれの対策を具体的に解説します。

物件のリフォームをする

経営不振を防ぐには、空室リスクを減らし、安定した家賃収入を得られるよう努力しなければいけません。そのためには、入居者にとって魅力的な物件であり続ける必要があります。魅力の要素はさまざまで、立地や周辺環境は大きなポイントですが、それらはどうすることもできません。

そこでできる対策のひとつが、リフォームです。間取りや設備などを見直し、入居者のニーズに合っているか確認しましょう。費用はかかりますが、うまくいけば空室が減り、安定した家賃収入を期待できます。

管理会社を変える

管理会社を変えることで、経営が上向くこともあります。「空室対策に強い」「入居者サポートが優れている」など、管理会社の得意分野はさまざまなので、問題を解決してくれそうな会社を探してみましょう。

重視したいのは、空室対策に強い管理会社でしょう。言い換えれば「集客力が強い」会社です。地域での知名度が高く、住民からの信頼を得ている管理会社は期待できます。

不動産ポータルサイトへ広告を掲載していたり、自社ホームページやSNSで積極的に情報発信していたりなど、多角的な営業活動をしている会社もよいかもしれません。このような管理会社に変えることで、状況が大きく改善する可能性があります。

ローンの借り換えをする

高い金利が原因でキャッシュフローが悪化している場合は、金利が低いローンへの借り換えを検討しましょう。ローンの借り換えとは、新たに契約する金融機関からの融資で、元々のローンを一括返済することです。

金利条件が有利な不動産投資ローンを組み直せば、毎月の返済額が減り、キャッシュフローの改善が期待できます。ただし、借り換え手数料が発生するので、よく考えた上で決めましょう。所有する物件によっては融資期間が短いケースもあります。

赤字を活用した不動産投資の節税対策

赤字を活用した不動産投資の節税対策

不動産投資で得られる家賃収入は、規模を問わず「不動産所得」に分類されます。不動産所得のポイントは、所得税の節税に役立つ「損益通算」という計算が使えるところです。損益通算を利用できる以上、赤字がメリットに転じることもあります。どのような仕組みなのか、以下に詳しくまとめました。

損益通算で不動産投資の節税が可能

不動産投資で得た家賃収入には、給与所得と同じように所得税や住民税がかかります。ただし、経営がうまくいかずに損失が出ることもあるでしょう。そこで活用したいのが、「損益通算」という税法上のルールです。

「損」と「益」を通算するという文字通りの意味で、不動産投資で出た赤字を本業の所得から差し引けます。結果、所得額が下がるため減税につながるという理屈です。本業の収入が下がっているわけではないのに、払い済みの税金の一部が還付金として戻ってくるかもしれません。

本業での所得が高い方ほど、損益通算で得られるメリットは大きいといえます。なお、還付金を受け取るには確定申告が必要です。確定申告は基本的に2月16日~3月15日なので、新年が明けたら早めに準備しておきましょう。

不動産投資の損益通算の計算方法

損益通算は、本業の所得から不動産所得を差し引いて計算します。したがって、まず行うのは本業の所得の計算です。

本業の所得は、「給与所得」だけとは限りません。預貯金や国債などの「利子所得」、株や投資信託の配当で得られる「配当所得」、副業の対価やネットオークションの売上などの「雑所得」の4種類があります。それらを合算したものが「本業の所得」です。

次に、不動産所得を計算します。不動産所得とは、不動産収入から経費を差し引いた所得です。

不動産収入 家賃・更新料・共益費・礼金
経費 減価償却費・修繕費・管理費・固定資産税・損害保険料・金融機関へ支払う利息

注意点として、土地を購入するのに借りたローンの金利は損益通算の経費にはできないため、計算に入れないようにしましょう。

不動産所得以外にも損益通算ができる所得がある

不動産所得以外にも損益通算ができる所得がある

損益通算は不動産所得がある方だけの特権ではありません。「事業所得」「譲渡所得」「山林所得」がある方も使えます。ここでは、不動産所得以外にできる損益通算の所得の種類をまとめました。正しく理解しておけば、賢く節税できます。

事業の運営によって得られる「事業所得」

事業を運営したことで得た収益は「事業所得」になります。サービス業・建設業・小売業・卸売業・農業・漁業など、事業の種類はさまざまです。副業として事業所得を得ている方もいるでしょう。

事業所得は、不動産所得と同等の節税効果を持つ所得といえます。損益通算には計算する順序があり、「第一次通算」として最初に本業の所得から差し引くのが不動産所得・事業所得だからです。赤字が出た場合は、節税に役立てましょう。

資産の譲渡による「譲渡所得」

土地や建物、株式などの資産を譲渡して得た収益は「譲渡所得」です。資産を取得してから譲渡するまでの期間によって「短期譲渡所得」か「長期譲渡所得」に分かれ、長期のほうが高い節税効果があります。

譲渡所得は「第二次通算」で差し引く所得です。第一次通算(本業の所得と不動産所得・事業所得)でまだ黒字だった場合、計算後の所得と譲渡所得で損益通算を行います。ただし、「株式譲渡で損益通算できるのは上場株式のみ」など、諸条件があるため注意が必要です。

山林の譲渡で得られる「山林所得」

所有している山林を伐採して譲渡したり、伐採はせずにそのまま譲渡したりして生じるのが「山林所得」です。第二次通算で譲渡所得を差し引いても黒字だった場合、「第三次通算」で山林所得を差し引きます。

山林所得は5年以上所有した山林であることが条件です。5年未満で譲渡した場合は事業所得か雑所得扱いになるため、誤解のないようにしましょう。また、山林を丸ごと譲渡した場合、土地の部分は譲渡所得になる決まりにも注意が必要です。

不動産投資が赤字でも確定申告しないのはありなのか

不動産投資では、本業以外の合計所得額が年間20万円以下の場合、確定申告をしなくても構いません。ただし、節税したい場合や、赤字を翌年に繰り越したい場合は確定申告をしましょう。

特に、赤字が出た場合は確定申告をするメリットがあります。課税所得が下がり、還付金が受け取れることもあるでしょう。確定申告は難しそうに感じるかもしれませんが、不動産投資をするなら覚えておいて損はありません。手順に慣れる意味でも、一度トライしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

まとめ

不動産投資で出る赤字には、好ましいものとそうでないものとがあります。減価償却費によって生まれる帳簿上の赤字は、節税効果を生み出す「良い赤字」といえるでしょう。一方、空室による家賃収入減など、キャッシュフロー上のマイナスは避けたい赤字です。物件をリフォームしたり、管理会社を変更したりして経営不振を防ぎましょう。

不動産投資の赤字は損益通算が可能なので、うまくいけば課税所得が下がり、還付金を受け取れるかもしれません。不動産所得が年間20万円以下の場合でも、確定申告を通して損益通算するメリットは十分あります。正しい知識を持ち、無理のない資金計画を立て、将来に向けて着実に資産を増やしていきましょう。

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