マンション法の2024年改正は老朽化と高齢化が背景?! ポイントをわかりやすく解説

マンション法の2024年改正は老朽化と高齢化が背景?! ポイントをわかりやすく解説|株式会社イー・トラスト

区分マンションを所有している方にとって重要なマンション法(区分所有法)が、実は2024年に改正される見込みであることをご存じでしょうか。改正の理由は「2つの老い」という観点でマンションを取り巻く状況が変化しているためです。

そこで今回は、マンション法の改正ポイントと背景について詳しく解説します。分譲マンションを所有するすべての方に関係する法改正のため、ぜひ最後までご覧ください。

区分所有法の通称でも知られるマンション法

区分所有法の通称でも知られるマンション法

マンション法の正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」(通称:区分所有法)です。建物の一部分を所有する場合の所有権について、トラブルにならないよう細かく定められています。

区分所有法とも呼ばれるマンション法の、基本的な部分を詳しくみていきましょう。

マンション所有権を守る区分所有法

所有者同士の権利関係を明確にし、マンション運営の円滑化と所有者の財産を守ることがマンション法の目的です。分譲マンションでは、所有目的も経済状況も異なる複数の人が1つの建物を分け合って所有しています。一定のルールがないと、意見の違いや権利関係上のトラブルにつながりかねません。そこで、分譲マンションが普及し始めた1962(昭和37)年に制定されました。

マンション法では、専有部分と共用部分について以下のとおり明確に定義されています。

・専有部分

主に住戸の内部空間を指し、区分所有者が単独で所有する部分。所有者が自身の責任のもと修理、設備交換などを行う

・共用部分

外壁やエレベーター、エントランスなど所有者全員で所有する部分。リフォームや修理、設備交換は管理会社が行う

また、管理運営を円滑にするために、管理組合の設置もマンション法で義務付けられています。区分所有者全員で構成することや大規模修繕の進め方など、細かい部分まで規定されている点に注意が必要です。

マンション法(区分所有法)はマンション使用のルールにも影響

マンションによって異なる使用上のルール(管理規約)も、マンション法にもとづいて制定されています。マンション法をもとに国土交通省が定めた「マンション標準管理規約」を参考に、管理規約が作成されるためです。また、管理規約はマンション法の範囲を超えて設定・改正することはできません。

さらに、管理規約の制定や改正方法自体も、マンション法で厳格に規定されています。マンション法によって、マンションを使用するルールが守られているのです。

マンション法が改正される背景は2つの老い

マンション法が改正される背景は2つの老い

マンション法は最初の制定以来、2度改正されています。マンション法が改正される理由は、主にマンションを取り巻く状況の変化です。

そこで、今回の改正の背景になっている「マンションの老い」「所有者の老い」という2つの老いについて詳しくご紹介します。

老朽化したマンションが急増している

1つめのキーワードは「マンションの老い」です。国土交通省の調査によると、築40年以上のマンションは2022年時点で125.7万戸存在し、10年後(2032年末)には約2.1倍、20年後(2042年末)には約3.5倍に増加すると予想されています。マンションの老朽化への対応は、マンション運営における大きな課題です。

マンションの耐用年数は30〜40年程度といわいます。耐用年数を超えると、倒壊リスクや町の景観悪化を引き起こすなど、地域経済の下落要因となります。

区分所有者の高齢化

2つめは「区分所有者の老い」です。国土交通省が発表した資料によると、築年数の古いマンションを中心に、70歳以上の高齢者が所有する割合が高くなってきています。所有者の高齢化が進むと、管理組合の役員の担い手不足や運営の遅延に陥りかねません。

また、高齢化が進むと、所有者の死亡や転居によって現在の所有者がわからなくなるケースもあります。マンション法で規定された賛成数を得られないことで、管理組合の議決に影響を及ぼすおそれもあるでしょう。

円滑な管理が求められている

2つの老いは、マンションの資産価値の維持と円滑な運用を妨げる大きな問題です。マンションの耐用年数が迫り、建て替えや修繕などの対策が急がれる一方、管理組合の円滑な運営が困難になるという負のスパイラルに陥りつつあります。

大規模修繕を実行したくても、推進する役員の不足、所有者不明による議決数の未達といった問題があると計画が前に進みません。管理状態の悪化による資産価値の下落、さらには倒壊や破損といった事故の懸念が現在のマンション運営における最大の問題点です。

マンション法改正で円滑な運用管理を目指す

マンション法改正で円滑な運用管理を目指す

2024年に予定されているマンション法の改正は「2つの老い」がもたらす分譲マンション問題の解決を目的としています。改正案の内容は「円滑な決議を実現する新たな仕組み」と「多数決要件の緩和」の2本柱です。マンション法の改正ポイントについて、詳しくみていきましょう。

円滑な決議を実現する新たな仕組み

マンション法の改正によって、管理組合の議決に必要な条件が緩和されます。現行のマンション法では、建て替えの決議をするためには所有者全員の5分の4以上の賛成票が必要です。つまり、反対票に数えられる所在不明者が5分の1以上いる場合、議決そのものができません。

そこで今回の法改正では、所在不明者を母数から除外し、出席者のみの議決する新たな仕組みづくりが検討されています。高齢や病気、海外移住といった理由で決議に参加できない人を除外することで、円滑なマンション運営の実現を目指しているのです。

多数決要件を緩和

議決のための必要人数に加えて、多数決の要件そのものの緩和も今回の改正ポイントです。現行のマンション法で5分の4以上の賛成とされている建て替え決議の多数決要件を、4分の3以上とすることが検討されています。

ただし、所有者の財産保護の観点から、多数決要件の緩和は「客観的な問題」に限られる見込みです。具体的には「耐震性」「防火性」「外壁」「給排水設備」「バリアフリー」の5つで、いずれも安全性や生活維持に欠かせない項目に限定されています。

【まとめ】マンション法改正はすべての区分所有者が理解しておくことが大切

【まとめ】マンション法改正はすべての区分所有者が理解しておくことが大切

マンションの老朽化と所有者の高齢化という「2つの老い」問題は、今後さらに深刻化する見込みです。今回の法改正によって、建て替えや大規模修繕が円滑に進むことが期待されています。円滑な決議を実現する仕組みづくりと多数決要件の緩和を行い、建て替えをスムーズに進めることが大きな目的です。

ただし、マンション法の改正はまだ中間試案が出されている段階で、いつ国会決議されるのかは不透明な状況です。区分マンションを所有している方は、今後の動向にしっかりと注目しておきましょう。
 
 

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