シリコンバレー銀行の破綻が起こった理由とは? 今後の展望も徹底解説

シリコンバレー銀行の破綻が起こった理由とは? 今後の展望も徹底解説|株式会社イー・トラスト

2023年3月10日に、シリコンバレー銀行が破綻しました。シリコンバレー銀行は、アメリカ・カリフォルニア州サンタクララに拠点を置く地方銀行。総資産は2,090億ドル(2022年12月時点)と、資産規模では史上2番目の銀行破綻だといわれています。

「銀行の経営破綻」と聞くと、2008年のリーマンショックが思い起こされ、不安に感じた人も多いのではないでしょうか。本記事では、シリコンバレーが破綻した背景や理由、破綻後の影響についてわかりやすく解説します。

シリコンバレー銀行の破綻の背景

シリコンバレー銀行の破綻の背景

シリコンバレー銀行が破綻した背景には、複数の要因が存在していました。たとえば、ベンチャー企業中心の預金構成、低金利を前提とした経営体制、そして2022年のFRBによる利上げなどです。

シリコンバレー銀行が破綻した背景を整理してご紹介します。

シリコンバレー銀行の歴史と業績

シリコンバレー銀行は、新興企業の集まる“シリコンバレー”で1983年に設立。テクノロジー系ベンチャー企業への投資を積極的におこなっていました。
新興企業からの預金が多く、2020年の金融緩和によって預金残高は右肩上がりに増加。2019年に710億ドルだった総資産額は、2021年には2,110億ドルまで急増します。
シリコンバレー銀行は積みあがった預金を、米国債や不動産を担保としたモーゲージ証券(MBS)で運用し、収益を高めていきました。

破綻に至るまでの経済状況

2022年に経済活動が再開したアメリカは、急激なインフレに突入しました。インフレを抑制するために、FRB(米連邦準備理事会)がそれまで0.25%だった金利を一気に5%近くまで引き上げました。

金利が上昇すると、債券価格は下がります。シリコンバレー銀行が保有する米国債やモーゲージ証券も例外ではありません。債券運用で収益を伸ばしてきたシリコンバレー銀行は、大きな含み損を抱えてしまいます。

取引先企業の業績悪化が追い討ち

インフレとFRBの利上げは、ベンチャー企業にとっても大きな痛手でした。資金調達が困難となり、事業継続のために預金を引き出し始めたのです。これにより、シリコンバレー銀行の預金残高は激減します。
預金残高を補てんするために、含み損を抱えた債券を手放さざるを得なくなりました。シリコンバレー銀行は、債券の売却により多額の損失を計上。資本力が低下したことで信用不安が起こり、企業はさらに大量の預金を引き出します。最終的には取り付け騒ぎにまで発展し、シリコンバレー銀行は破綻してしまいました。

シリコンバレー銀行破綻の主な理由

シリコンバレー銀行破綻の主な理由

シリコンバレー銀行が破綻に至った直接的な理由はおもに2つです。1つはリスク管理の甘さですが、もう1つは現代ならではの理由でした。

シリコンバレー銀行が破綻した2つの理由を振り返ってみましょう。

無理な拡大とリスク管理の失敗

破綻の原因の1つは、債券投資をおこなう際のリスク管理の甘さです。シリコンバレー銀行は、低金利政策を前提とした経営体制をとっていました。
2020年の金融緩和で急速に拡大した預金額を背景に、米国国債とモーゲージ証券を大量に購入。金利変動リスクを軽視して、長期債投資を推し進めました。
シリコンバレー銀行が急速に発展したのは、債券の含み益によって急速に事業を拡大したためです。現金資産の増加を超える業務拡大によって、政策金利変更の影響を大きく受けることとなりました。

想定を超える預金の引き出し

破綻を加速させたもう1つの理由は、SNSでの急速な情報拡散です。信用不安から預金の引き出しがあっても、徐々に残高が減少するのであれば対応できたかもしれません。しかし、情報の拡散スピードが早かったことで、対応できないほどの預金引き出しが起こりました。

シリコンバレー銀行が米国債とモーゲージ証券を損切りし、多額の損失を計上したことで「シリコンバレー銀行が危ない」という情報がSNSで一気に拡散されます。情報の拡散によって、預金者の不安を一層あおりました。

情報の拡散スピードが遅ければ、否定する情報を流してある程度不安を抑えることもできます。しかし、SNSが広く普及した現代においては、訂正や否定する間もなく、制御できないほど多くの人に情報が出回ってしまいました。

シリコンバレー銀行破綻後の影響

シリコンバレー銀行破綻後の影響

シリコンバレー銀行の破綻後、ただちに政府が介入したことで預金は全額保護されました。シリコンバレー銀行は、ファースト・シチズンズ銀行に買収され、すべての預金はファースト・シチズンズ銀行に引き継がれています。

シリコンバレー銀行破綻による影響を考察してみましょう。

金融業界への影響

シリコンバレー銀行の破綻は、金融業界に大きな打撃を与えました。シリコンバレー銀行の破綻から2カ月もたたないうちに、シグネチャーバンクおよびファーストリパブリックバンクが相次いで経営破綻。シリコンバレー銀行の経営破綻を発端に、ほかの銀行に対しても「経営が悪化しているのではないか」との信用不安が広がりました。
インフレが収まらずFRBが利上げを継続すれば、銀行業界にとってさらなるストレスとなるおそれがあります。

シリコンバレー地域への影響

預金が全額保護されたことで、シリコンバレー地域のスタートアップ企業は最悪の事態を免れました。もし預金を失えば、従業員への給与支払いができなくなり、倒産に追い込まれていたかもしれません。スタートアップ企業が連鎖的に倒産すれば、アメリカ経済に大きな影響が及んでいたでしょう。

ただし、シリコンバレー銀行の破綻によって、スタートアップ企業の資金調達は先行きが不透明な状況となりました。新興企業が自由に資金調達をおこなえなくなると、今後のアメリカ経済への影響がさらに拡大するおそれもあります。

【まとめ】不透明な世界経済状況ではリスクヘッジが重要

【まとめ】不透明な世界経済状況ではリスクヘッジが重要

シリコンバレー銀行をはじめとするアメリカで相次ぐ銀行の経営破綻は、今のところリーマンショックのような世界的な金融危機に発展するとは考えにくいでしょう。

しかし、シリコンバレー銀行の破綻は、日本でも対岸の火事ではありません。日本の銀行も、長く続く低金利を前提とした経営体質に少なからずなっています。万が一日銀が利上げに踏み切れば、リスク管理の甘い銀行はシリコンバレー銀行のように破綻に追い込まれる可能性も否定できません。

先行きが不透明な世界経済状況で個人資産を守るためには、あらゆる局面に備えたリスクヘッジが重要です。まずは、自分が預金している銀行の融資先や資金の運用状況を調べてみましょう。

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