収入に比較的ゆとりのある医師の方の資産運用方法として、不動産投資が注目されています。節税対策という面で、直接的な投資リターン以外のメリットを感じる方も少なくないようです。
一方で、医師特有の事情から、投資金額を決定する際の注意点もあります。最終的にどういった資産形成を目標とするのかを、多角的に検討しておくことが大切です。
そこで本記事では、不動産投資は本当に節税対策として有効なのかを、メリットや注意点も含めて徹底解説します。
もくじ
医師が不動産投資をする4つのメリット
不況に強く安定資産を形成できる不動産投資は、職種を問わず注目を集めている投資方法です。さらに、医師の方におすすめしたい、特有のメリットもあります。
医師の方が不動産投資をする際のメリット4つを詳しくみていきましょう。
節税効果に期待できる
収入が高い医師の方が不動産投資をすると、より大きな節税効果に期待できます。不動産投資が節税になる理由は、赤字の不動産収支を本業の収入と通算できるためです。所得税は年収の高い方ほど多く納める累進課税制度になっているため、高収入の医師の方であれば、より大きな税金の圧縮効果が見込めます。
不動産投資では、物件自体の購入費はもちろん、取得時の諸費用やローンの金利、管理費用など多くの費用を経費として計上可能です。ただし、不動産経費が赤字でないと、単純に収入が増えて課税金額も多くなってしまいます。節税効果を見込んで投資をする際は、年間収支が赤字になるように投資計画を立てましょう。
効率良く資産形成をできる
一般的に用意できる資金が多いほど、不動産投資効率は向上します。後述する融資の受けやすさも含めて、収入の安定している医師であれば、より条件の良い物件に投資可能です。また、資金的にゆとりがあれば、複数物件を所有してリスクヘッジをする計画も立てられます。
例えば、賃料相場5万円の3,000万円の中古物件を取得した場合、単純計算で回収期間は600ヶ月です。しかし、賃料20万円で貸し出せる新築の人気物件であれば、倍以上の8,000万円を投資しても400ヶ月で回収できます。さらに、格安の中古物件では、賃料の下落や多額の修繕費が必要なケースも少なくありません。購入予算が大きいほど、リスクの少ない投資計画を立てられます。
融資を受けやすい
高い信用力と安定した収入を背景に、医師は金融機関からの融資を受けやすい傾向があります。不動産投資では、融資の可否や条件も成否を大きく左右するポイントです。医師であれば、低金利・長期間・高額という有利な条件で融資を受けられる可能性が高まります。
少ない自己資金で大きな資産を運用できる効果(レバレッジ効果)が得られるため、効率的な資産形成が可能です。一般の職業では審査が通らない資金を調達でき、物件の選択肢が広がります。
時間や手間をかけずに運用できる
不動産投資は運用に手間がかからない点も、医師の方にとっては大きなメリットです。不規則な勤務も含めて多忙な医師が、投資先を日常的に管理するのは現実的ではありません。株式投資のように不動産価値は大きく変動しないため、手間をかけなくても安定的に運用できます。
また、物件購入後の運用は、専門の管理会社に委託することが可能です。清掃や修繕といったメンテナンスだけではなく、入居者募集や家賃の回収まですべて任せられる管理会社も数多くあります。
不動産投資が節税対策になる仕組み
不動産投資は少なからず収入になることから、メリットとしての節税効果がよくわからない方もいるでしょう。特に収入が高く納税額の多い医師であれば、節税効果は気になるポイントです。
そこで、不動産投資がどのように節税対策になるのか、3つのポイントで詳しく解説します。
医師としての収入と損益通算できる
不動産投資で発生した赤字は、本業の医業所得と損益通算が可能です。損益通算は、黒字の各種所得の金額から赤字の所得金額を控除する制度で、課税総所得額を抑えられます。
例えば、医師としての所得が2,000万円の場合、1,800万円以上の部分の所得税率は40%です。しかし、不動産投資で年間300万円の赤字があれば、通算した課税所得は1,700万円になるため、所得税率は33%になります。
「赤字」と聞くと、投資がうまくいっていないイメージを抱くかもしれません。しかし、安定した所得のある期間はあえて赤字経営にすることで、節税効果を得ながら資産形成ができます。
減価償却費が長期間計上できる
多額の物件取得費用を長期間経費として計上できるため、節税効果を長く享受できます。ローンでの資金調達も含めて、実際に物件費用を支払うのは購入時の一度のみです。しかし、税法上の経費計上は、決められた耐用年数に基づいて年単位で長期にわたり分割で計上します。結果的に、物件取得の翌年以降も、取得費用を経費として計上し続けられるのです。
例えば、1億円の物件を取得した場合、もし一括での計上であれば取得年度しか節税効果は得られません。しかし、仮に10年償却であれば、毎年1,000万円を経費として計上できます。
相続税対策にもなる
不動産投資は、相続税対策としても有効です。不動産物件にかかる相続税は、物件の評価額によって算出されます。一般的に物件の評価額は時価の7〜8割程度になるため、同額の現金よりも相続税が軽減されるのです。
また、物件の価値自体も、取得時から徐々に下落していきます。例えば、1億円で取得した物件が、10年後に同額の1億円という評価額になることはほぼありません。仮に不動産価値が上昇している場合でも、そもそも1億円を現金のままで受け取るよりも多く相続できます。
不動産投資をする際の注意点
安定した資産形成に向いているといわれる不動産投資ですが、投資である以上、一定のリスクはあります。資金にゆとりがある場合でも、リスクをよく理解して投資判断をすることが大切です。
不動産投資でリスクを低減するための注意点をいくつかご紹介します。
信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産投資の成否を握るカギともいえるのが、不動産会社選びです。投資先物件の選定から取得時の各種手続き、取得後の管理まで、不動産投資を行う際には不動産会社の協力が欠かせません。信頼のおける不動産会社を選ぶことで、目的に合ったスムーズな不動産経営を実現できます。
不動産会社を選ぶ際には、営業年数や取り扱い物件数といった定量的な実績と、口コミや周囲の評判といった定性的な部分の両面から判断しましょう。不動産投資は物件を購入して終わりではないため、長く付き合える会社を選ぶことが重要です。
節税だけを意識しすぎない
節税効果を過度に意識しないことも、不動産投資をする際の注意点です。高額な物件を取得して経費として計上すれば、節税効果は高まります。しかし、物件の収益性や将来的な価値を考えて投資先を選定しないと、そもそも安定した資産形成がかないません。
節税はあくまでも副次的に得られるメリットだと捉えて、収益性を考えた投資プランを立てることが大切です。本業の収入や、空室・修繕などによる不動産経営上の赤字とのバランスを考えて、無理のない物件を選定しましょう。
開業を目指すのであれば融資額に注意する
将来的に開業を目指している医師の方は、不動産投資のローン金額に注意が必要です。預金や融資可能額をすべて不動産投資に回してしまうと、開業時の資金調達が難しくなるおそれがあります。
医師であっても、金融機関から無限に融資を受けられるわけではありません。融資額の審査では、現在の借入残高や現金で用意する頭金の金額も加味されます。開業を予定しているのであれば、将来的に必要な資金も踏まえて投資先を選定しましょう。
【まとめ】医師のメリットを活かした不動産投資
高収入で安定性のある医師の方にとって、不動産投資は有力な資産形成方法です。収入の安定してる現役時に、不動産経営を赤字にしておくことで節税効果にも期待できます。社会的信用度が高いことから有利な条件で融資を受けやすく、より収益性の高い物件を選べることも医師が不動産投資をするメリットです。
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